
「応募者ファースト」がDXの原動力。サカイ引越センターがAI面接で実現した、24時間365日止まらない採用サイクル

株式会社サカイ引越センター
サカイ引越センターは、「まごころこめておつきあい」をモットーに、引越専業のリーディングカンパニーとして、独自の研修制度による高品質なサービスと全国におよぶネットワークを展開しています。
- 業種
- 運輸・物流
- 社員数
- 5000名~
課題
• 繁忙期を中心に面接スケジュールの調整に時間がかかり、「今すぐ働きたい」という応募者の熱量を活かしきれていなかった。
• 面接官や拠点の状況によって質問内容や評価基準にばらつきが生じやすく、応募者に均質で誠実な対応を届けることが難しかった。
効果
• AI面接の導入により応募から面接実施までのリードタイムが約1〜1.5日に短縮され、応募者の熱量を逃さない採用サイクルが実現できた。
• 1件あたり30分かかっていた面接工数が約5分に集約されたことで、人間はより本質的な見極めに集中できるようになった。
• 現場が重視する礼儀・マナーの判定精度が高く評価され、応募者の約半数がAI面接を選択するなど、全社的なAI活用の起点にもなってきている。
記事内のサービス名・社名・所属は取材当時のものです。「Zキャリア AI面接官」は現在「Z AI面接」に名称を変更し、運営は株式会社ROXXからルーセントドアーズ株式会社へ移管しています。
株式会社サカイ引越センター様は、引越業界のリーディングカンパニーとして全国に拠点を展開されています。同社がいち早く「Zキャリア AI面接官」を導入した背景には、単なる効率化だけではない、応募者への深い配慮と、時代に合わせた柔軟な変化がありました。
今回は、導入の経緯から具体的な効果、そしてAIがもたらした採用現場の変化についてお話を伺いました。
現場の忙しさに左右されない「誠実な採用」を目指して
―――「Zキャリア AI面接官」の導入前、どのような課題を感じていたのでしょうか。
河合氏: 最大の課題は、応募から面接設定までの「スピード」と、面接の「品質の均一化」でした。
特に繁忙期は現場が非常に忙しく、応募があっても面接調整に時間がかかったり、せっかくお越しいただいてもお待たせしてしまったりすることがありました。
私たちの仕事は「お客様のご家財を大切に扱うこと」です。応募者も将来のお客様かもしれない。それなのに、現場の忙しさを理由に雑な対応をしてしまうのは、サカイの精神に反すると感じていました。
岡部氏: 以前は応募から面接設定まで平均3.5日ほどかかっていました。これをなんとか2日に縮めたいと考えていましたが、人の手だけでは限界がありました。そこで、24時間365日、応募者が「働きたい」と思った瞬間にその場で面接ができるAI面接の可能性に注目したんです。

対面・Web面接の「限界」をAIが突破した理由
―――対面や有人でのWeb面接という選択肢もある中で、なぜ「AI面接」という手法を選ばれたのでしょうか。
岡部氏: 最大の理由は、「応募者の熱量を逃さないため」です。 従来の対面面接や有人Web面接では、どうしても「面接官(現場社員)のスケジュール」に応募者が合わせる必要がありました。特に弊社の現場は常に動いていますから、調整に時間がかかると、せっかくの応募者の「今すぐ働きたい」という熱い気持ちが冷めてしまいます。
AI面接なら、応募した瞬間にその場で10分で完結できる。この即時性は、他の手法では絶対に不可能な強みでした。
河合氏: もう一つは「面接品質の均一化」です。 対面や有人Web面接では、担当する面接官やその時の忙しさによって、どうしても質問内容や評価にバラつきが出てしまう懸念がありました。場合によっては、忙しい現場で応募者を待たせてしまい、残念な思いをさせてしまうこともゼロではありません。
AIであれば、24時間365日、誰に対しても同じ高い品質で、誠実に、かつスピーディーに応対してくれます。面接官のコンディションに左右されない体制を作るには、AI面接が唯一の正解でした。
岡部氏: 私たちは「もったいない精神」を大切にする会社です。採用においても、応募してくれた方の熱意を無駄にしたくない。他社がまだ二の足を踏んでいる中で、どこよりも早く最先端のAIを取り入れ、現場の負担を減らしつつ応募者の体験を向上させる。このスピード感こそがサカイらしさだと思い、導入を決めました。
リードタイムは半分以下、応募者の2人に1人がAI面接を選択
―――実際に導入してみて、どのような変化がありましたか?
河合氏: 劇的な変化がありました。まず、応募から面接実施までのリードタイムが、従来の日数から約1〜1.5日へと大幅に短縮されました。
岡部氏: 現場の負担軽減も顕著です。これまでは1件あたり30分かけていた面接が、現在はAIが作成した精緻なレポートと録画を確認するプロセスに移行しました。確認時間は1件あたり5分程度に集約されています。
単に作業が楽になったということではなく、AIが一次スクリーニングとして客観的なデータを提示してくれるおかげで、私たちは「自社の社風に本当にマッチする方はどなたか」という、より人間による付加価値の高い見極めにエネルギーを注げるようになりました。
―――導入前に期待していた「工数削減」以外に、予想外の効果はありましたか?
河合氏: 「AI面接」という選択肢自体のニーズが、想像以上に高かったことですね。正直、最初はAIだと、web面接や対面面接と比べて敬遠されるかもという不安もありましたが、蓋を開けてみれば応募者の約半数がAI面接を選択しています。時代の変化を肌で感じました。
岡部氏: 応募効果、つまり母集団の形成にも手応えを感じています。24時間いつでも即面接ができる利便性が、応募のハードルを下げてくれている。獲得単価に対する「採用の質と量」を総合的に考えると、非常に高い費用対効果を実感しています。
―――社内の反応や、その後の波及効果はいかがですか?
河合氏: 実は、サカイ引越センターにとってAI活用による導入事例は今回が初めての試みでした。一見アナログなイメージを持たれがちな弊社ですが、実はAIとの相性が非常に良く、導入まで驚くほどスピーディーに進みましたね。
具体的には、私たちが対面面接で最も重視してきた「挨拶」や「ハキハキとした受け答え」といった礼儀やマナーが、AIのレポートでも非常に高い精度で可視化されていたんです。中にはAI相手だと油断して態度に出てしまう方もいますが、そうした「本来の姿」をAIが客観的に捉えてくれる。この「見極め」の軸が現場の求めるものと合致していたからこそ、社内の納得感も高かったのだと思います。
岡部氏: 加えて、弊社の「良いものは即取り入れる」というスピード感も、AIの即時性とマッチしました。 この成功がきっかけとなり、社内に「AIをもっと活用しよう」というポジティブな空気が生まれました。
現在では、お客様向けの見積り案内や営業、電話対応など、採用以外の分野でもAI活用の検討が始まっています。今回の導入が、単なる採用効率化に留まらず、サカイ全体のデジタル活用(DX)を促進する「起爆剤」になったと感じています。

今後の展望:採用DXを全領域へ拡大
―――今後のAI活用について、どのような展望をお持ちですか。
河合氏: 現在はアルバイト採用がメインですが、今後は中途採用や新卒採用にも広げていきたいと考えています。現職で忙しい中途の方にとって、夜間や土日に自宅で受けられるAI面接は非常に価値があるはずです。
岡部氏: また、面接だけでなく、入社後のフォローアップや定期面談にもAIを活用できるのではないかと期待しています。全国に拠点があるからこそ、AIを使って一貫した品質でスタッフの声を聞き続ける体制を作りたいですね。
すべては「応募者ファースト」のために
―――最後に、導入を検討している企業へアドバイスをお願いします。
河合氏: 「AIだから冷たい」と思われがちですが、実は逆です。応募者を待たせない、現場のミスで嫌な思いをさせない。これこそが究極の「応募者ファースト」だと私たちは確信しています。
岡部氏: 採用のサイクルを速めたい、面接の質を均一化したいと考えているなら、迷わずやってみるべきです。サカイが証明したように、伝統的な現場仕事の会社であっても、AIは強力な味方になってくれます。
